我が家は、土地や外構、家具などを含めると、総額約5,200万円かかりました。住宅ローンの返済は、毎月約12万円です。
決して安い家ではありません。家づくり中には「ここまでお金をかけて、本当に良かったのかな」と不安になることもありました。
それでも実際に暮らしてみると、平日の朝から半外空間でご飯を食べたり、面倒だった家事がほとんどなくなったりと、アパート時代にはなかった変化がたくさんありました。
家を豪華に見せるためではなく、毎日の暮らしを心地よくする部分にお金をかけて良かった。今は心からそう感じています。
この記事では、注文住宅に実際に住んで分かった、我が家の「家づくり成功ポイント」を5つ紹介します。良かったことだけでなく、住んで感じたデメリットも正直にまとめました。
我が家の成功ポイント5選
- 素足で暮らしたくなる杉の無垢床
- 朝の過ごし方が変わった半外空間
- 1階で生活が完結する間取り
- 家事をなくす3種の神器
- 外を眺められる窓ベンチ
成功ポイント① 素足で暮らしたくなる杉の無垢床

家で過ごしているとき、最も長く肌に触れている場所って実は床なんです。
そこで我が家は、床材に杉の無垢床を選びました。採用して良かった理由はいくつもありますが、一番分かりやすい変化は、夫婦ともにスリッパを履かなくなったことです。
湿度が高い日でも、足触りがサラサラ
以前住んでいたアパートはシート系の床材で、梅雨になると室内の湿度が70%を超えることも珍しくありませんでした。床もペタペタして、裸足で歩くと足の裏にくっつくような感覚があり、夫婦ともにスリッパが必需品でした。
今の家も、エアコンを止めていれば梅雨時期の湿度は70%ほどになります。数字だけを見れば、アパート時代と大きく変わらない日もあります。
ところが、足の裏で感じる快適さはまったく違います。
杉の床は湿度が高い日でもサラサラしています。お風呂上がりの少し汗ばんだ足で歩いても、足裏の水分をスッと受け止めてくれるような感覚があり、とても気持ちいいんです。
性能を示す数字も大切ですが、毎日の行動が自然に変わるほどの快適さは、住んで初めて分かる価値だと思います。
3か月経っても感じる、杉の甘い香り
杉の無垢床で気に入っているもう一つのポイントが、木の香りです。
入居から3か月ほど経った今でも、家に入ると杉の甘い香りを感じます。
遊びに来た人から、玄関に入った瞬間に「木のいい匂いがする」と言ってもらえるのも嬉しいところです。
杉の無垢床は、本当に傷が付きやすい
もちろん、良いことばかりではありません。杉は柔らかいため、とにかく傷やへこみが付きやすいです。
- 小銭を軽く落としただけでもへこむ
- 爪や硬い物が当たると傷になる
- 家具の移動にも注意が必要
「無垢床の傷は味になる」とよく言いますが、我が家の感覚では、傷が増えていくと“味”というより“模様”に近づいていきます。
ただ、傷を一つずつ気にするよりも、毎日裸足で気持ちよく過ごせて、木の香りに包まれる暮らしのほうが、私たちにとっては価値がありました。
杉の無垢床を採用して感じたこと
傷の付きにくさや新品のような美しさを優先する人には向かないかもしれません。
一方で、足触りや香りなど、五感で感じる心地よさを大切にしたい人にはおすすめできる床材です。
無垢床についてはこちらの記事で詳しく紹介しています↓
成功ポイント② 朝の過ごし方が変わった半外空間

おしゃれなカフェのテラス席や、夏の夜のビアガーデン。外での食事には、少し特別な感じがありますよね。
我が家は、そんな時間を自宅でも気軽に楽しみたくて、キッチンの掃き出し窓の先に半外空間をつくりました。
室内ではないけれど、完全な屋外でもない。家の中と庭の間にある曖昧な場所です。
我が家の半外空間のつくり方
ウッドデッキをつくるだけでは、次第に使わなくなる可能性があります。
実際、私の実家にも大きなデッキがありますが、屋根や目隠しがなく、キッチンからも遠いため、食事のたびに使う場所にはなりませんでした。
そこで我が家では、できるだけ準備をせずに使えるよう、次の4点を意識しました。
- 3.6mの深い軒を出し、日差しや雨を避けやすくする
- 外壁と高さのあるフェンスで周囲からの視線を遮る
- キッチンから最短距離で出られる位置にする
- 裸足でも出られるウッドデッキにする
この4つがそろったことで、「外に出るための準備」がほとんど要らなくなりました。
休日だけでなく、平日の朝にも使える
家づくり中から、ここでコーヒーを飲んだり、ご飯を食べたりしたいと思っていました。ただ、実際にどれほど使うのかは、住むまで分かりませんでした。
今では天気の良い休日だけでなく、平日の朝でも少し時間があれば、ここで朝食を食べています。
食べるものは、パンとコーヒーだけの日もあれば、前日の残り物の日もあります。外で食べたからといって、普通の食パンが急に高級食パンになるわけではありません。
それでも、鳥の声を聞き、庭の植物を眺め、風を感じながら食べるだけで、朝の過ごし方が変わりました。
アパート時代の平日の朝は、ご飯を食べたらすぐに仕事へ向かうだけの時間でした。今は「少し早く起きて、外で朝ご飯を食べよう」と思えるようになりました。
部屋が広くなったこと以上に、何でもなかった朝の時間を楽しめるようになったことが、家を建てて起きた大きな変化です。
半外空間にも、汚れや虫の問題はある
半外空間は完全な室内ではないため、次のようなデメリットもあります。
- 風が強い日は雨が吹き込む
- テーブルや椅子に砂やホコリが付く
- 虫が入ってくる
- 使う前に軽く掃除が必要なこともある
こちらが招待していなくても、虫は普通に参加してきます。
そのため、室内とまったく同じ快適さを求める場所ではありません。ただ、気になったらすぐ室内へ戻れる距離なので、完全な屋外よりも安心して過ごせます。
家づくりでは、部屋の広さや収納量など、家の中に目が向きがちです。しかし、外にも気軽に使える居場所を一つつくると、暮らせる範囲が庭まで広がったように感じます。
この半外空間は、我が家の中で一番曖昧で、一番贅沢な場所になりました。
居場所についての記事はこちら↓
成功ポイント③ 1階で生活が完結する間取り
私たちの理想は平屋でした。しかし、土地の条件や必要な部屋数を考えると、平屋は現実的ではないと判断しました。
その代わりに、寝室、キッチン、水回り、収納など、生活に必要なものをすべて1階にまとめ、平屋のように暮らせる2階建てにしました。
朝起きてから夜寝るまで、ほとんどの生活が1階だけで完結します。
老後のための間取りが、今の暮らしを楽にした
この間取りを考えた当初は、年齢を重ねても毎日階段を上り下りせずに暮らせるようにしたい、という将来への備えが大きな理由でした。
ところが実際に住んでみると、老後を待つまでもなく、今の私たちがとても楽になりました。
- 寝室から洗面へ移動して身支度をする
- WICで着替えて、そのままLDKへ向かう
- 料理や洗濯も同じ階で済ませる
- 眠たくなれば、そのまま寝室へ移動する
一つひとつは短い移動ですが、朝の支度、料理、洗濯、お風呂、着替えと、毎日何度も繰り返します。その数秒が積み重なると、暮らしやすさに大きく影響します。
階段の問題は、体力よりも面倒くささ
家づくり中は、階段の上り下りくらい、それほど負担にならないと思っていました。今も階段を上ること自体がつらい年齢ではありません。
それでも、2階にスマホや充電器を忘れると、たった十数段の階段が急に遠く感じます。
階段の問題は、体力だけでなく「わざわざ取りに行く面倒くささ」にもあると、暮らし始めて気づきました。
LDKを中心にした、放射状の動線
我が家はLDKを中心にして、そこから寝室、キッチン、水回りなどへ短い距離で移動できるようにしました。
家事動線というと、「ランドリールームからWICへ」のように、特定の2か所を最短でつなぐルートに注目しがちです。もちろん、それも大切です。
それに加えて、家の中心から行きたい場所へすぐ移動できることも、日々の小さな移動を減らしてくれました。
1階が大きい間取りは、費用と敷地に注意
1階に寝室や収納、水回りをすべて配置するには、それなりの面積が必要です。
我が家も1階が大きくなった分、庭として使えるスペースは少なくなりました。3台目の駐車スペースも、軽自動車がなんとか停められる程度です。
また、建物の基礎や屋根の面積も増えるため、コンパクトな総2階と比べて費用を抑えやすい間取りとはいえません。
将来楽をするためにつくった間取りですが、住宅ローンは40年間、楽をさせてくれません。
それでも、忙しい朝も、疲れて帰宅した夜も、家事をする休日も、階段を使わず暮らせる快適さは想像以上でした。
何十年後かの自分たちのために考えた間取りが、すでに今の自分たちを助けてくれている。1階で生活が完結する間取りは、将来への備えでありながら、毎日の面倒くささも減らしてくれる間取りでした。
間取りで悩んでいる方はこちらの記事がおすすめ↓
成功ポイント④ 家事をなくす3種の神器

食器洗い、洗濯物を干す、床を掃除する。生活するうえで必要ですが、できることなら避けたい家事もありますよね。
我が家では、家事を少し楽にするのではなく、できる限り家事そのものをなくすために、次の3つを採用しました。
- ミーレの食洗機
- ガス衣類乾燥機「乾太くん」
- ロボット掃除機
我が家では、この3つを勝手に「家事をなくす3種の神器」と呼んでいます。
ミーレの食洗機|食後の気持ちまで軽くなった
我が家は、幅60cmの大容量タイプを採用しました。朝と昼に使った食器も含めて、1日分をまとめて夜に1回洗えるのが大きな魅力です。
以前は、料理をして食べ終わったあと、シンクに積まれた食器や調理器具を見るだけで、満たされた気持ちが一度リセットされていました。
今は、使った食器をミーレへ入れ、夜に一度運転するだけ。基本的に予洗いもしていません。
食器洗いがなくなったことで、夫婦で料理をする機会も増えました。料理自体が嫌なのではなく、その後の片付けを考えると、多くの調理器具を使うのが面倒だったんです。
後片付けの負担が一つなくなるだけで、「今日は何を作ろう」と前向きに考えられるようになりました。
乾太くん|干す・取り込む・乾きを心配する工程を削減
洗濯機から濡れた洗濯物を取り出し、そのまま乾太くんへ入れてボタンを押せば、洗濯はほとんど終わります。
以前は、重い洗濯物をサンルームへ運び、ハンガーに掛け、乾いたら取り込んでいました。北陸は雨の日や湿度の高い日も多く、除湿機を使っても1日で乾かないことがあります。
乾太くんを使い始めてからは、「この服は今日中に乾くだろうか」「生乾きにならないだろうか」と心配することがほとんどなくなりました。
タオルがふかふかに仕上がるのも、気に入っているところです。
ロボット掃除機|家の間取りから動きやすくした
我が家は、できるだけ床に物を置かず、扉を減らすことで、ロボット掃除機が移動しやすい間取りにしました。
掃除機に家を合わせるのは少し不思議ですが、ロボット掃除機が動きやすい家は、人も移動しやすい家でした。
さらに、我が家では無垢床や自然素材を多く採用したためか、以前のアパートよりホコリが舞いにくく、家具や家電の上にもホコリがたまりにくいと感じています。
自然素材とロボット掃除機。一見正反対に見える組み合わせですが、意外と相性が良いと感じました。
家事が完全になくなるわけではない
もちろん、3つを採用しても、すべての家事がゼロになるわけではありません。
- 食洗機に入れられない食器は手洗いが必要
- 乾太くんに入れられない衣類もある
- ロボット掃除機が入れない場所は自分で掃除する
- それぞれの機械に定期的なお手入れが必要
特に妻の服は、乾太くんへ入れられないものが多くあります。
そのため、「家事がなくなった」というより、人間が担当する範囲がかなり狭くなったという表現が正確かもしれません。
設備ではなく、これからの自由時間を買った
3つとも採用には費用がかかります。特に我が家のミーレは約40万円でした。「食器を洗うために40万円」と考えると、決して安くありません。
しかし、これから先、毎日の家事を代わりにしてくれると考えると、単に設備を買ったのではなく、これからの自由な時間を買った感覚に近いです。
生まれた時間で、夫婦でゆっくりご飯を食べたり、一緒に料理をしたり、半外空間でコーヒーを飲んだりできるようになりました。
この3種の神器は、家事の負担だけでなく、「家事をしなければ」という気持ちまで減らしてくれた、我が家に欠かせない存在です。
成功ポイント⑤ 外を眺められる窓ベンチ

カフェへ行ったとき、窓際の席が空いていると座りたくなりませんか。
コーヒーを飲みながら外を眺めたり、ぼんやり人の動きを見たり。同じコーヒーでも、窓際で飲むと少しおいしく感じます。
私たちは、そんな窓際の居場所を家にもつくりたくて、リビングの大きな窓の前にベンチを造作しました。
- 奥行き:約40cm
- 座面の高さ:約38cm
大人が腰掛けられる、シンプルな木のベンチです。
用途を決めないから、自由に使える
一般的なリビングの居場所といえば、ソファやダイニングです。我が家にも両方ありますが、窓ベンチがあることで、リビングでの過ごし方が増えました。
- コーヒーを飲みながら庭を眺める
- 少しだけ腰掛けてスマホを見る
- パソコンを持ってきて作業する
- 夫婦で話すときに自然と座る
ソファはしっかりくつろぐ場所、ダイニングは食事や作業をする場所という感覚があります。一方、窓ベンチはその中間です。
数分だけ腰掛けてもいいし、そのまま長い時間ぼんやり過ごしてもいい。半外空間と同じく用途が曖昧だからこそ、その日の気分で自由に使えます。
同じ空間で、夫婦が別々に過ごせる
窓ベンチをつくって良かったと特に感じるのが、夫婦で同じリビングにいながら、それぞれ別のことができる点です。
妻はソファで編み物をし、私は窓ベンチで外を眺めたり、パソコンを触ったり。いつも同じ場所に並んで座らなくても、お互いの気配を感じながら、それぞれ好きなことができます。
家づくり中は、リビングを広くすれば自然と快適になると思っていました。しかし実際に住んで感じたのは、部屋の広さだけでなく、座れる場所や過ごせる場所がいくつあるかも大切だということです。
我が家のLDKは21.5畳。窓ベンチ、ソファ、ダイニング、階段、ハンモック、半外空間と、気分に合わせて居場所を選べます。
家の中なのに席を選べる、ちょっとしたフードコート状態です。
窓の前に座ると、同じ庭でも見え方が変わる
窓ベンチで一番気に入っているのは、座ったときの目線です。
立ったまま外を見るのと、窓辺に腰掛けて庭を見るのとでは、同じ景色でも感じ方が違います。窓との距離が近づくことで、庭の植物や空が目に入りやすくなり、室内にいながら外とのつながりを感じられます。
晴れた日はレースカーテン越しの光を楽しみ、雨の日は庭に落ちる雨を眺める。富山は天気の悪い日も多いですが、外へ出られない日でも、ここに座れば外の景色を楽しめます。
荷物置き場になりやすいのがデメリット
窓ベンチは物を置きやすい高さなので、油断すると一時的な荷物置き場になります。何でも置ける場所は、何でも置いてしまう場所でもあります。
それでも、窓の前に収納や大きな家具を置くのではなく、座れる場所をつくったことで、窓そのものを楽しめるようになりました。
窓は、明るさや風を取り入れるためだけのものではありません。その前に居場所をつくることで、外の景色や季節の変化を楽しむ場所にもなります。
我が家に必要だったのは、物をしまう場所だけではなく、何もしない自分を置いておける場所でした。
窓ベンチは、座る場所を一つ増やしただけでなく、家での過ごし方まで増やしてくれた、お気に入りの居場所です。
まとめ|お金をかけて良かったのは、暮らしを変えてくれるもの
今回は、総額約5,200万円台で建てた我が家に実際に住み、「採用して良かった」と感じた5つを紹介しました。
- 杉の無垢床:素足で過ごしたくなる足触りと木の香り
- 半外空間:何でもなかった朝の時間を楽しめる居場所
- 1階完結の間取り:将来だけでなく、今の移動も楽にする
- 家事をなくす3種の神器:家事の負担と「やらなければ」という気持ちを減らす
- 窓ベンチ:リビングでの居場所と過ごし方を増やす
我が家は、家を豪華に見せることよりも、毎日の暮らしを心地よくしてくれる部分を優先しました。
良い家とは、金額が高い家や設備が多い家ではなく、そこで暮らす人の行動や時間を良い方向へ変えてくれる家なのかもしれません。




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